思い返せば、学生時代から日常的な光景を写真に収めていた。 それが顕著に出ているのが、1976年のアメリカの写真だ。 この時は、初めての海外取材、全米各地で女流詩人を撮影するのがメインだったが、移動中や空き時間があると、何気ない光景をモノクロでスナップしていた。
こうした思いを、私はずっと持ち続けているのだが、生活の糧を得るためにプロの写真家として仕事をしていると、クライアントに渡すフィルムに私的風景を入れておくことはできない。 しかし、21世紀に入り、デジタルカメラの拡散で、仕事とプライベートでカメラを代える必然性はなくなった。 また、当初はフィルムカメラの保険的存在でデジタルを持参するようになり、その場合は、デジタルで私的風景だけを撮影。 1995年から現在まで20年間縁のあるニューカレドニア、オーロラ撮影で行った厳冬のカナダ、チンギスハーンを追った内蒙古等の写真がそれにあたる。
加えて、2005~6年頃から印刷出版業界でフィルムカメラは衰退、以後、デジタルカメラが一般的になった。 私自身も2010年以降、フィルム撮影の依頼はほとんどなくなった。 お陰で、取材で行った日本国内は言うに及ばず、ニューカレドニア、スイス、フランス等の海外でも好きな光景を、以前にも増して撮れるようになった。 つまり、デジタルだからこそ自作品が撮れ、このギャラリーが設立でき、作品発表できるようになったと言える。
なお、掲載した作品の基本テーマは、「光と影」。 私自身が見つけた日常的光景の奥深さを表現できればと思っている。
撮影場所、時期
① ニューカレドニア/各地:2006年〜2012年撮影
②
スイス各地:2010年〜2011年撮影
③ 中国/上海、西湖等:2011年春秋撮影
④
カナダ/イエローナイフ:2007年撮影
⑤ 内蒙古:2009年撮影
⑥ アメリカ/各地:1976年春撮影
⑦
フランス/パリ:2014年秋撮影
⑧ 日本/東京、京都、北海道等:2012年以降撮影
写真家 / 関 幸貴(せき ゆきたか)
1953年名古屋生まれ、O型。
1976年、学校法人多摩美術大学多摩芸術学園卒業、現在は(有)世紀工房所属。
卒業と同時にフリーとなり、これまでNumber、BIG tomorrow、一個人、プレジデント、家の光、地上、花ぐらし等の雑誌を中心に活動、著名人、農業現場の撮影を得意とする。
現在は企業撮影やアート関係も加わる。
写真専門誌/カメラライフ14号、17号では、ニューカレドニア、スイスで撮影した作品がエッセイと共に、それぞれ特集20ページで掲載された。
また、印刷媒体に加え、インターネットマガジン『月刊宮島永太良通信』では編集長を務め、ニューカレドニア観光局HPではインタビューシリーズの写真/執筆を担当。
加えて現在は、心温まるフォトエッセイ25編も掲載中。
■ 代表的な展覧会 / 個展
■ 賞